前回に続いての「エコラリア」(反響言語)です。【2/3】
前回は前フリが長くて肝心な中身が書けませんでした…反省(;´д`)
即時性エコラリアの7つの機能
Prizant&Duchan(1981)は即時性エコラリアを7つに分類しました。ざっくり概要を書くとこんな感じです。
①焦点不安型(明確な意図がないもの)
②発話順番型(とりあえず自分の発話順番をみたすためのもの)
③自己統制型(行動の調整をともなうもの:行動中)
④リハーサル型(後につづく言動を促進するもの:行動の前)
⑤叙述表現型(物や行動を示すためのもの)
⑥肯定表現型(肯定の意思を示すもの)
⑦要求表現型(要求するためのもの)
ぺぇさんと自閉症スペクトラムの子どもとのやりとり事例をあげときます。
Aくんとのやりとり
ぺぇさん:「◯◯くん、外遊びに行く?」↓
Aくん :「外遊びに行く?」(即時性エコラリア)
↓
ぺぇさん:「……(。・∀・。)」(見守り中)
↓
Aくん :「……」
「外遊びに行く?」
(エコラリアを発した後、外出の準備にかかろうとし、ぺぇさんを見る)
↓
ぺぇさん:「Aくん。外遊びに行く?どこに行きたいか絵カードで教えてください(。・∀・。)」
普段、自閉症スペクトラム(ASD)の子どもに関わっている方は、こんな経験多いのではないでしょうか。
ここでの即時性エコラリアでは、一つ目のエコラリアを発した時点で「行く」という意思表示だったのか、「言葉にとりあえず出してみて、ちょっと考えて、『よし!外に行こう!行動に移そう!』」というものだったのかは分かりません。
7つの機能の内だと④⑥⑦の可能性が高いでしょうか?
エコラリアは何かを伝えようとしてくれているのかも
エコラリアをどのようにコミュニケーションに活かすか
上のAくんの例で言えば、ぺぇさんは見守ることを選択しましたが、多くの支援者の方は一 度目のエコラリアで「どっち?」ともう一度尋ねることを選択する方が多いのではないでしょうか。
この手のやりとり場面でよくあるのが、
曖昧な返事をしたAくんに対して、
支援者:「え?行かないの?もう一度聞くけど、行く?…やっぱり行くのね!じゃあ準備しましょう!!どこ行きたい?」
…(。・∀・。)この手の誘導尋問的なやりとりが、ぺぇさんはあまり好きではないのです。
今回は二回目のエコラリアの時点で、Aくんの気持ちは「外に行く」ことに固まったと思います。
その上で、しっかりやりとりする方が、コミュニケーションとして成立するかな…と思っています。…そういう、ぺぇさんも上手くいくことは少なくて、やっぱり、結果、誘導的になってしうことが多くて反省します。
このぺぇさんの選択が正しいのかは分かりません。子どもによって、反応は千差万別ですから。もちろん、焦点不安型のエコラリアも多いですから…。
…まだまだ経験と勉強がたりません・・・_(┐「ε:)_
一方、Prizant& Rydell(1984)は遅延性エコラリアを14に分類しました。
ただ、遅延性エコラリアは即時性エコラリアに比べて、コミュニケーション場面であまり活用しづらいからか、あまり論文で登場することは少ないような気がします。
もう少し資料探して見ようと思うので時間を下さいm(_ _)m
関連文献
ー参考・引用文献ー
1)廣澤・田中(2007),「自閉性障害児における即時性エコラリアの生起関連要因−関わり手の発語に注目して−」,東北大学大学院教育学研究科研究年報55集第2号
2)Prizant, B. M., & Duchan, J. F. (1981). The functions of immediate echolalia in autistic children. Journal of Speech and Hearing Research, 46, 241─249.
3)Prizant, B. M., & Rydell, P. J. (1984). Analysis of functions of delayed echolalia in autistic children. Journal of Speech and Hearing Research, 27, 183─192.
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