前に紹介したDCD(発達性協調運動障害)に関連して、DAMP症候群について解説します(。・∀・。)
ネットでは、当然のように「ADHDとDCDが併発している」という簡単な説明、もしくは「ADHDの多くがDCD」、それを「DAMP症候群」というような感じで掲載されていることが多いです。
ですので、今日はもう少し、掘り下げて見たいと思います( -`д-´)
…といっても、ぺぇさんもDAMP症候群については専門外ですので、英語の記事を読み漁りながら、まとめたいと思いますm(_ _)m
(いつものことながら、DAMPに関する日本語での論文って、ほとんど聞いたことがありません)
※今回の記事は、普段より正確な内容ではないかもしれません。
興味を持たれた方は、一度、英語圏の論文を読んでください。
DAMP症候群とは
まずは概要です
DAMP症候群・・・といっても、実はDSM−Ⅴに診断名としてあるわけではありません。クリストファー・ギルバーグ(Christopher Gillberg)というスウェーデンの医師が1980年前半にその概念を提唱し、DAMPの用語自体は1986年からとされています。
DAMPとは
「Defict in Attentoin, Motor Contorol and Perception」です(。・∀・。)
直訳すると、「注意、運動制御、認知知覚の不足」というようになります。
それにsyndrome(症候群)がついています。単にDAMPと表記されることも多いようですね…ぺぇさんが見た限り、syndromeはほとんど付いていませんでした。
DAMP症候群は主にスカンジナビア(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン)の地域での研究が盛んなようです。
その診断基準は…
2003年のギルバーグの論文によるその診断基準によれば、・DSM-IVで定義されているADHDである
・DSM-IVで定義されたDCDである
・脳性麻痺によってうまく説明されない状態である
・重度の学習障害に関連していない (IQは約50以上でなければならない)
・他の診断カテゴリーがしばしば適用される、例えば、自閉症スペクトル、
ODD、うつ病などが、DAMPの診断には必要ない
ということです。ADHDに含まれない「運動制御」の点(DCDの特徴)がDAMP症候群の特徴となります。同論文によれば、DAMPはADHDのサブグループであるとの記述も見受けられます。
ここで生じる大きな議論とは
(。・∀・。)はて?
ADHDとDCDの2つの診断でよいのでは?
わざわざDAMP症候群と呼ぶ必要があるのか・・・
…という点です。新しい病名・疾患名をつけるということは、その特徴があったり、必要があるということ。
ギルバーグ氏の論文でも、いくらDAMPの予後(二次障害)がよくないと主張しても・・・DAMPという新しいジャンルを作ってそれが、何がどのように役に立つのかハッキリ書いているようには読めませんでした。英語圏の国がDAMPに関して批判的なのは認めていますがwww
「う〜ん、とりあえず、他の外国のネット記事でいいからあたってみるか(ー_ー;)」
↓
「・・・DAMP症候群、フルボッコじゃないですかΣ(・∀・;)」
いくつか記事をあたりましたが批判的な意見が多いですね。ぺぇさんも、DAMP症候群って、もうちょっとメジャーなものだと思っていました。
DAMP症候群を積極的に紹介する記事を書くつもりだったのに・・・これは問題点を指摘する記事になりそうですwww
やっぱり日本に入ってくる&流れている情報だけで判断してはいけませんね(;・∀・)
試しに英語のwikipediaを見てみると(もちろん信憑性の問題はあることは承知ですよ)、批判的な文章が続いています。(日本版wikipediaにはありません)
ぺぇさんが見たいくつかの記事が、たまたま批判的なものに偏っていたのかもしれません。もし、「違う」などあれば教えてほしいです(;´Д`)
ぺぇさんが見つけたものを整理すると・・・・
問題点その①
DAMPってギルバーグの研究所が中心であること。(というかスカンジナビア地域以外では、あんまり受け入れられていないみたい?)
(他の研究者・研究フループの知見があまりない。研究所メンバーから、もしくはギルバーグ氏の連名のものが大半)
問題点その②
圧倒的にADHDの論文が多く、DAMPの論文がごくわずかである。
問題点その③
DAMPについての概念が曖昧であること
問題点その④
DAMPとして確立するには、他のADHDとDCDとの特異性は何なのか?
・「ADHDとDCDを併せ有する子ども」と「DAMPの子ども」の違い
・また「ADHD」と「DAMP」、「DCD」と「DAMP」の違い
問題点その⑤
ADHDの診断、DCDの診断が確立しているのだから、両方を満たす子どもはDAMPの診断を行うのではなく、それぞれの診断基準を使うべきである。(治療的アプローチもそれぞれの知見から)
問題点⑥
というか、DAMPって「ADHD」でしょ?
(概念の違いが曖昧であることと、主となっているのがADHDという指摘)
・・・う〜ん。
なかなかの問題点です。特に③&④&⑤…(・∀・;)…ごもっとも!!
たしかに「自閉症スペクトラムとADHD」を併せ有する場合、何か特別な診断名があるかといわれると「ない」し、「ADHD」と「LD」を併せ有する場合も特に「ない」…
・・・そう考えると「DAMP症候群」って違和感がありますね(;・∀・)
ぺぇさんが今回勉強したかぎりでは「DAMP症候群」と呼ぶ必要性が全く分かりませんでした(´・∀・`)ゞすみません。
(DAMP症候群の予後がよくないという主張はわからなくもないですが…)
DAMP症候群に関する研究の功績
ただDAMP症候群の研究に関しての功績は「ADHD」と「DCD」の重なりを示したことにあると思います。ADHDもしくはDCDの診断がでた子どもの半数くらいがDAMP症候群であったということ、さらに重度のDAMPの子どもの3分の2は自閉症であったということ。
こうしたDCDとの関連を提示したことが貴重な研究となっているのではないかと思います。現在において、DCDと自閉症スペクトラム、DCDとADHDの関連も注目が高まっていますから、これからの研究に期待しています(。・ω・)ノ
また勉強して何か分かったら報告します(。・ω・)ノ
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参考引用文献
・Gillberg, Christopher (2003). "Deficits in attention, motor control, andperception: a brief review". Archives of Disease in Childhood. 88 (10):
904–910
・他、適当にあさった外国の記事いろいろ
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