【解説】発達障害と聴覚情報処理障害(APD)について

今回は発達障害とと聴覚情報処理障害(APD)について

聞いているの聴こえない…発達障害と「聴こえ」

 発達障害の人は『コミュニケーションが苦手』というのが一般的ですが、今回はそれをもっとピンポイントに絞って、「聴こえ」(聞くこと)について、最近、ぺぇさんが勉強している聴覚情報処理障害(APD)について取り上げたいと思います。

 たまたまネットの記事かニュースで「聴覚情報処理障害(APD)」についての紹介を目にしたぺぇさん…

・・・(´・ω・`)あれ?これ自分のことかな?

と思い、「聴覚情報処理障害(APD)」について少し勉強してみることにしました。

 ぺぇさんは聴覚・音声言語医学が専門ではないので曖昧な点や不明確な点があるかと思います。興味をもたれた方は、ご自身で一度調べてみてください。


「聴覚情報処理障害(APD)とは

症状

具体な症状としては、「聞き返しが多い」「聞き誤りが多い」「雑音はある場では聞き取りが難しい」などがあげられるそうです。


 これだけだと「難聴とは違うの?」と質問がありそうですが、難聴には感音性と伝音性がありますが、これらは検査において原因の特定が可能ですが聴覚情報処理障害(APD)の原因はまだまだ確立したものではありません。どうも外国では感音性・伝音性難聴に加えた大きな難聴のカテゴリーとしての位置付けの動きもあるみたいです。

定義

 ぺぇさんの調べだ範囲だと、広義として「一般的な聴覚検査では正常な聴力ではあるが、聞き取り難さがある症状」です。

 わざわざ定義に「広義」と前置きしたのは、「聴覚情報処理障害」の定義は現在も議論が続いているようです。日本より外国の方が議論が活発なようで、各国でもいろいろと定義が違うようです。日本では最近注目されるようになってきたようで、あまりはっきりとした定義が見当たりませんでした。

 聴覚情報処理障害(APD)は中枢性の聴覚障害と考えられていた時期があったため、以前は「Central Auditory Processing Disorder(CAPD)」と呼ばれていましたが、「中枢」の問題が明確でない事例も多いため『C』がとれて「APD」となった経緯があります。

発達障害との関連

発達障害との関連が随分と難解…というかあんまりハッキリ書いてない…。゚(゚´Д`゚)゚。
 
 ぺぇさんの調べた限りですがAPDの定義(これも曖昧ですが…)それ自体には、どうも発達障害は含まれないようですね。分けて考えているみたい。

 ただAPDの症状が、発達障害の人の症状とよく似ているという指摘は多いみたいですね。(※注意:APDだったら発達障害というわけではないです。)
 APDのメカニズムは不明確ながらも、先にあげた中枢性だけでなく、発達障害にみられるような認知面の偏りが要因ではないかという議論もあるようです。

 小渕(2015)によると、APD症状の「背景要因の半数以上は自閉症スペクトラム(ASD) や注意欠陥多動性障害(ADHD/ADD)などの発達障害」であり、APDの評価には聴覚検査だけでなく、発達検査など多角的な視点と評価が必要であることが述べられています。

 上記の点からしても、発達障害のある人は、聴こえに関して困難さを感じている人が一定数いることがわかりますね。

ぺぇさんは聴覚情報処理障害(APD)…なのか???

ぺぇさんの自覚症状

 ぺぇさんも聴覚よりも視覚有意なタイプなため、音声言語での入力は弱いと自負しています。
(そして入力よりも音声言語でのアウトプットは入力よりもさらに弱いという残念さ…。ただ発達検査を受けた限りでは聴覚的ワーキングメモリーの力は他の人の平均より高いという不思議w

 以前の記事にも書いたのですが、ぺぇさんは電話が苦手で、電話になると「音を弁別する力」が極端に下がります。特に自分が聞き慣れていない人との会話になると、何を言っているのわからないことが多く、何度も聞き返す始末です
。゚(゚´Д`゚)゚。

 あと、すべてのケースではないのですが、初対面の人は何を話しているのか聞き取れないことがあります・・・。どちらかと言うと、自分の「あ」と話している人の「あ」が一致しない感じですかね。一連の会話として音声は聴こえてくるけど、1音ずつ切りだせない感じですね。流れて行ってしまうというか。

 こういう時は、聞き取れた単語や目の前の状況などから会話を推測して話しています。不思議と何度かあっているうちに話していることが分かるようになりるので、自分の中でマッチングが上手くいったのだと勝手に思っています。

 電話にしろ会話にしろ、しっかり相手の話していることを聞こう(聴こう)と注意を向けているのにも関わらず、聞こえるけど音が弁別できないというか、内容が分からないというか、そういう感覚がよくあります。あと、疲れてくると単に注意力という点でなくて、音の弁別力だけでなく聴知覚全般の能力が落ちてくる感覚があります。


やっぱりAPD?

 ただAPD症状の特徴にあるような、「雑音下」でもぺぇさんは聞こえています…。そして電話はAPDの症状としては見当たらない…。
…ということは、APDではないような気もするが…、こればっかりは詳しい専門家に聞いてみないとわかりませんね(・・;)

 う〜ん、電話に関しては苦手意識が強すぎて、ただの心因性の難聴なような気もしてきましたwそういえば、ぺぇさんの電話苦手問題は解決しないまま、日々を過ごしていますね…。(発達障害を疑った原因の一つにこの電話問題がありました)

まとめ

 発達障害の人でADPの症状があって、「聞こうとしているのに聴こえない」というのはぺぇさんにはよく分かります。というかAPDを知らない人でも、経験的に発達障害の人を支援している立場の方や、認知・発達検査を勉強されている方はそうした「聞こうとしているのに聴こえない」や「見ているけど視えていない」という症状をよくわかっているように思います。

 こうした「認知」の部分はどうも健常の方にわかってもらいにくいし、伝えるのも難しい…。ですがAPDの理解や知名度が上がれば、発達障害への理解もより深まりそうなきがします。

 APDに関しては、定義やその検査方法も曖昧であるため、どうやって支援するか…までは、明確なアプローチがまだないように思います。中枢系の問題なのか、脳の高次機能・認知の問題、はたまたコミュニケーションの問題なのか・・
これから研究が進んで、なにかしら効果的なアプローチが見いだされることを期待しています(^_^)/


関連記事

今回の記事に関連したものへのリンクです。よければ見ていってください。

・ぺぇさんの視えない

参考・引用文献


・聴覚情報処理障害(auditory processing disorders, APD)の評価と支援,小渕(2015),音声言語医学 56:301 ─ 307,2015 (第 59 回日本音声言語医学会シンポジウム:聴覚障害周辺領域の近年の動向)

・聴覚情報処理障害の用語と定義に関する論争,太田・八田(2010),特別支援教育センター研究紀要,2,17―26

・聴覚情報処理障害(APD)に ついて,福島・川崎(2008),音声言語医学49:1−6

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